保育の実施

1)入園申し込みから入園まで

a.入園希望届は練馬区宛にご提出ください。
  練馬区により入園選考会議が開催されます。

b.練馬区から、当園宛に「入園内定児童名簿」が届きます。
  当園から保護者様宛に、入園の説明会の日時をお知らせします。
  入園説明会と同じ日に園医さんによる入園時健康診査を実施します。

c.入園個別懇談・入園時健康診査を経て、入園決定となります。



2)エンゼル保育園保育計画

エンゼル保育園は、以下に示す保育計画に基づき保育を推進し、園児が心身共により豊かに成長することができる養護と教育を推進します。

Ⅰ.保育理念

1.全ての児童の権利を擁護しこれを保障する

2.児童の個の伸び育ちを尊重しこれを保障する

3.子ども同士のかかわり合いと育ち合いを尊重しこれを保障する

Ⅱ.保育方針
1.国籍・人種の区分なく全ての児童を受け入れ、障がいの有無にかかわらず全ての児童を受け入れる。

2.安全で安心な保育環境を準備し、園児の安全を守り、心身の健やかな伸び育ちへの教育的配慮を実行する。この場合の保育環境とは、人的環境と物的環境である。

3.保育計画はひとりひとりの園児の心身の成長段階と地域の実態や保護者の意向等を踏まえたうえで立て、月次毎の指導結果を確認しながら次月の保育を推進する。また、満2歳未満児に於いては、個別の年間計画を立て、個別の月次計画を立てながら、月毎の心身の発達と発育確認を行う。

4.保護者と共に二者会を組織し、学び合いながら互いが実行する家庭養育と保育園の養護と教育を最善なものへと高め合い続ける。

5.保護者と共に年間行事を推進し、園児の保育園生活環境を豊かなものにする。

6.乳幼児教育の専門家を招来し、専門教育の内容を高めていく。

7.保育内容向上の為、苦情処理制度並びに第三者評価制度を導入し、これを活用する。

8.職員研修を重視し、保育内容の向上を求め続ける。

Ⅲ.保育事業項目
① 産休明け保育  ② 延長保育  ③ 障がい児保育  ④ 子育て支援事業
*上記外必要な保育事業に取り組む

Ⅳ.保育の基本
◇ 保育時間
① 通常の保育時間は午前7時15分から午後6時15分までです。
  午後6時15分から午後7時15分までの間、定員の枠を設けて延長保育を実施します。
  延長保育スポット利用制度もあります。ご利用ください。
  延長保育児には簡単な軽食を給与します。
② 保育時間は個々の申し出を受け、園長が決定します。
③ 保育時間の変更、お気軽にお申し出ください。

【 送迎についての確認 】
○その日の保育時間を変更したい場合には、前日までに担任にお知らせください。
 その日の急な変更はお電話でお知らせください。

○お迎え時間が遅れる場合には、保育園宛電話連絡をしてください。

○送迎人は予め届け出てください。お届けのない方にはお子さんをお引き渡しできません。

◇ 保育預け
お仕事以外でもお子さんを保育園に預けることができます。
〔例〕
a.保護者様ご自身の体調不良・通院 
b.ご家族様の通院付き添い
c.夜勤明け
※お仕事以外でお子さんを保育園にお預けになる場合には、ご用がお済みになりましたらお迎えにいらしてください。

*職場に行かない日は、担任に、「今日は○○の為○○に行っています。発熱等の連絡は○○にお願いします」と伝えておいてください。

◇ 休園日
○日曜日・祝祭日
○年末年始(12月29日~1月3日)

◇ 年末保育
○定員枠を20名とし、年末保育を実施しています。申し込み制です。当園在園児外もお預かりします。
○実施日は、日曜日を除く12月29日・30日です。

◇ 保育活動
※保育とは、乳幼児期の全人教育です。生まれてから小学校に入学する時期までの間の子育てと保育によって、その子の人格の基が築かれます。
※当園では、アドラー心理学を基本にした“愛と勇気づけの保育”を実践しています。園児らの心は安心して伸びやかに育ち、豊かな感情が育まれます。
※当園は“保育士だけでは子どもは伸び育たない”として、専門家を招来し教育水準を高め続けています。

主な教育プログラム

○ 心育ちの為のプログラム
  ・交流保育
  ・ごっこ遊び
  ・お手伝い保育
  ・料理保育
  ・製作活動
  ・表現遊び
  ・体験保育
  ・どろんこ遊び
  ・水遊び
  ・乳児(0・1・2歳)音楽教育
  ・幼児(3・4・5歳)リトミック教室

○からだ育ちの為のプログラム
  ・薄着保育とはだし保育 
  ・園外保育(お散歩)
  ・発育年齢別運動遊び
  ・4歳、5歳年間を通してスイミングクラブに参加
以上が主な教育プログラムですが、おおむね3歳児クラス在園期間中に自分のことは自分でできるようになり、4歳児クラス在園中に貢献感と責任感を育み、5歳児クラスで文字教育に親しみながら幼稚園教育課程プログラムを修得し、卒園までに自尊心を身につけて小学校に入学します。



◇ デイリープログラム・1日の保育の流れ



◇ 年間行事
Month Schedule
04 月  入園進級祝会
05 月  子どもの日の会
 3.4歳児親子遠足
06 月  3.4.5歳児交通安全指導
07 月  夏まつり(父母会主催)
08 月  
09 月  開園記念日
 5歳児親子遠足
10 月  運動会
 秋のクラス遠足(除く0歳児)
11 月  おじいさん・おばあさんの日
12 月  作品展・チャリティバザー
 クリスマス会
01 月  もちつき大会(父母会主催)
02 月  節分
 乳児生活発表会(おゆうぎ会)
03 月  ひなまつり
 お別れ会
 卒園式・おゆうぎ会
 5歳児お別れ遠足

◇ エンゼル保育園の給食 給食

① 完全給食
昼食とおやつで、各年齢の一日に必要な栄養量の40%以上がとれるように献立を用意しています。
離乳食は個々の摂食機能の発達に合わせて、家庭と連携して進めていきます。

② 給食食材、献立について
1、 基本的に国産の新鮮な食材を使用し、素材から調理しています。料理に合わせてこんぶ、かつおぶし、煮干しなどの天然のだしを使い、素材の美味しさを生かした給食を作っています。
2、旬の食材を使い、ご飯を主食とした和食献立とパンや麺を主食とした献立などを取り入れ、豊かな食の経験ができる機会となるよう心がけています。
3、生産者からの直接購入を進め、特にお米は精米したてのお米を定期的に購入し、専用のガス釜で美味しく炊いています。
4、予定献立表は月末に配付しています。また、給食レシピの配付も行っています。

③食物アレルギー対応について
1、主治医の指示に基づき、三大アレルゲン(卵・牛乳・小麦)の除去・代替食の対応をいたします。
その他のアレルギーについては、対応可能な範囲で除去します。個別にご相談ください。

④ 調理
保育園給食は抵抗力の弱い小さなお子さんへの食事を提供するため、衛生管理マニュアルに基づき、調理室・調理器具などの衛生管理はもとより、果物以外は全て加熱消毒・加熱調理をしています。生野菜と衛生管理が難しい果物(例:ぶどうなど)は給食では提供していませんのでご了承ください。

⑤ 給食の展示
毎日の給食・おやつは1階廊下(3歳児室前)、離乳食は受け渡し室のサンプルケースに展示しています。(夏場の展示はお休みします。)

⑥ 食器具
給食の食器は強化磁器を使用しています。
4・5歳児が使うお箸は、竹または南天のものを使用しています。

⑦ 食育活動
1.お当番活動
 食事の配膳・片づけを通して、食べることに積極的に関わる子どもに成長するような取り組みを進めています。
 お当番活動は3歳児後半から始め、5歳児では「主食・主菜・副菜のそろった食事」を理解し、自分とお友だちの食事を整え、お友だちと一緒に楽しく食事をしながら食べることへの興味関心を深めます。

2.お手伝い保育
 4歳・5歳児は、カレーライスの日で大活躍。みんなで作るおでんの日。
 日常のお手伝い保育(野菜の皮むき等)は年間を通して楽しみます。

3.クッキー作り
 3歳児はスノーボールクッキー作り、4歳児は型抜きクッキー作りをします。
 5歳児は創作クッキー作りに取り組み、作品展に出品します。

4.食育指導
 年齢に応じた様々な教材や本物の食材を使って、子どもたちに「食べることの大切さ」を伝えていきます。

⑧ 給食試食会
 夏の二者会で給食試食会を行ないます。
 秋の行事「おじいさんおばあさんの日」で、祖父母の皆様に子どもたちと一緒に給食を召しあがっていただきます。

⑨ 学習会
 “食”をテーマにした学習会を実施します。  保護者の皆様のご要望も組み入れながら計画します。

【エピソード】
 エンゼル保育園を卒園した子どもたちがこう言うのです。  “エンゼル保育園の給食はおいしかったなぁ~、もう一回食べたいよっ!”  保育園給食は乳幼児期に育まれる味覚の基地づくりです。

お断り

母乳のお預かりはできません。ご了承ください。



◇ 健康管理

子ども達への一年間の健康管理は次のように進めます。
*健康診断(対象:全園児)・・・年2回、園医さんにより実施します。
*乳児健診(対象:0歳児)・・・月1回、園医さんにより実施します。
*歯科検診(対象:全園児)・・・年1回、嘱託歯科医さんにより実施します。
*身体測定(対象:全園児)・・・月1回、身長・体重を測定します。
*胸囲測定(対象:全園児)・・・年1回、実施します。
*頭囲測定(対象:0・1・2歳児)・・・年1回、実施します。
*歯みがき指導(対象:3歳児)・・・年1回、歯科衛生士さんにより実施します。

【 ご家庭への結果のお知らせ 】
*健康診断結果・乳児健診結果・歯科検診結果・身体測定結果は、「けんこうのしおり」でお知らせします。

健康診断結果で気になることが発見された時には、主治医の先生にご相談ください。
虫歯が発見された場合には歯医者さんに行きましょう。



【 日々の健康管理 】
① 朝の視診にご協力ください。お子さんの健康状態を確認しながらお預かりします。
② 乳児さん(0・1・2歳児)は連絡帳を用いてお家でのお子さんの様子をお知らせください。幼児さん(3・4・5歳児)は連絡ノートでお知らせください。
③ 体調不良の場合は、できる範囲内で給食配慮をさせていただきます。担任にその旨お申し出ください。
④ 登園後体調不良になった場合は、保育園の判断で職場に連絡を差しあげ、お迎えをお願いする場合があります。感染症に感染したかもしれないと思われる場合にも、同じようにさせていただきます。連絡をお受けになりましたら、急ぎお迎えにおいでくださるようお願い致します。
⑤ ④の連絡は、ご提出いただく「緊急時連絡表および受託時間調査表」に基づいて致します。記載内容に変更があった場合には、速やかに保育園に届け出てください。
⑥ お子さんの布団を干してください。干していただく曜日は担任からお知らせします。
⑦ 医師が処方した薬に限りお預かりすることができますが、主治医と相談のうえできるだけご家庭(朝・夕)で飲むようにしてください。

【 病気の早期発見と早期治療 】
園児の健康管理は、保護者の皆さんと協力し合って進めます。おやっいつもと違うな。この感覚が、病気を早期に発見します。病気を早期に発見し、早期に手当てしましょう。
また、一日の生活リズムを整えてあげることと、体づくりをしていくことが大事です。

【 感染症予防 】
感染症対策はとても大切です。感染症対策は保護者の皆さんと共に進めます。ご協力ください。
① 保育園は、保育園設置の感染症対応マニュアルを用いて日々の衛生管理を進めます。
② O-157を始め食中毒の集団発生防止に努めます。2次感染防止にご協力ください。ご家庭で発病者が出た場合にも、速やかに保育園にお知らせください。
③ 保護者の方は、以下ご協力ください。
a.予防接種を受けた時は、保育園にお知らせください。
b.園児もしくはご家族の方が感染症にかかった場合は、速やかに保育園にお知らせください。園内に感染症が発生した場合は、「掲示板」あるいは「保健だより臨時号」等を用いてその内容を保護者の皆さんに速やかにお知らせします。
c.感染症にかかった場合は、登園許可証又は感染症届出書をご提出いただいてから登園できます。ご了解ください。

〈登園許可証が必要な感染症〉
(医師記入)

○麻しん(はしか)
○インフルエンザ
○風しん(三日はしか)
○水痘(水ぼうそう)
○流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
○結核
○咽頭結膜熱(プール熱)
○流行性角結膜炎
○百日咳
○腸管出血性大腸菌感染症(O-157、O-26、O-111等)
○急性出血性結膜炎
○髄膜炎菌性髄膜炎

*上記外、感染症予防法・学校伝染病の対象感染症を含みます。

〈感染症届出書が必要な感染症〉
(保護者記入)

○溶連菌感染症
○マイコプラズマ肺炎
○手足口病
○伝染性紅斑(リンゴ病)
○感染性胃腸炎(ノロ・ロタ・アデノウイルス等)
○ヘルパンギーナ
○帯状疱疹
○突発性発しん
○伝染性膿痂疹(とびひ)
○その他〔医師の指示により〕


④ その他、以下ご了解のうえご協力ください。
 *水いぼ(伝染性軟属種)・・・医師の許可があれば、スイミング・プール遊びに参加できます。
 *とびひにかかった場合・・・“軽症であり患部をガーゼ・包帯で覆うことができる”に限り登園することができます。
 *頭じらみ・・・発生予防にご協力ください。乳幼児は大人が髪を洗ってあげましょう。駆除はご家庭で、となります。
 *うがい・手洗い・・・うがい・手洗いの習慣をつけさせてあげてください。

【 紫外線対策 】
当園は、紫外線対策に気配りをしながら一年間の保育を進めています。

◇障がい児保育
当園はその昔から障がい児保育に取り組んで参りました。無認可時代から数えると50年に及ぶ当園の障がい児保育への取り組みは、地域の皆様にも周知されるところとなり、ハンディのある子もハンディのない子も、みんな仲良く仲間と共に安心して生活することができるようになりました。

【 みんなおなじいのちの仲間 】
当園の障がい児保育の標語は、“みんなおなじいのちの仲間”です。
当園には自立歩行できないお友達も入園してきます。0歳児から3歳児の保育室は1階にありますが、4歳・5歳児の保育室は2階です。ハンディを持ったお友達は、エレベーターを使って1階から2階に上がります。お散歩、エレベーターで1階へ。エレベーターが運んでくれるのは、“みんなおなじいのちの仲間”の仲間たちです。

園庭

◇ 専門指導

当園は専門講師による乳幼児専門教育指導を取り入れています。

指導その1: 年間を通したスイミング指導〔対象; 4歳・5歳児〕  田柄スイミングクラブ 指導員の先生

指導その2: 運動遊び〔対象; 全園児・個別支援〕 公益社団法人発達協会 倉持親優先生

指導その3: リトミック〔対象; 3歳・4歳・5歳児〕 東京教育専門学校 講師 岩瀬礼子先生

指導その4: 親子で楽しむリズム遊び〔対象; 0歳・1歳・2歳児〕 音楽のひろば 野口國枝先生

指導その5: アドラー心理学〔対象; 全園児〕 ファミリーカウンセリングの母親研究所 代表 坂本洲子先生

【 スイミング 】 田柄スイミングクラブ 鶴岡 孝

 エンゼル保育園のお子さん達が、当スイミングクラブに通われて40年も経つと聞いて本当に驚いています。エンゼル保育園でのスイミング教室2年間に物足りなさを感じて、卒園後に入会するお子さんもたくさんいます。また、選手として活躍している子の中にも、エンゼル保育園の卒園生もたくさんいます。

 バスから、明るく元気な声を弾ませてプールに降りてくる子ども達は、本当にスイミングが大好きなようです。4歳児では、はじめてのスイミングですから、まずトイレ・シャワーの浴び方、順番の待ち方、道具の使い方・片付け方、プールでのルールを覚えた上で、プールに入り、足のとどく所を上り下りし、飛びついたり、渡ったりしながら、水に慣れていきます。楽しくなってきた頃、顔がつけられたり、潜れたり、一人で浮けるということができるようになっています。5歳児では、飛び込み・けのびをはじめ、バタ足・クロールの練習まで出来るようになります。

 エンゼル保育園のお子さんは、みんな元気で素直で、スイミングが大好きで、真剣に取り組みます。できない子がいれば、みんなで励まし、助け合います。私たちは、園児が来るのを、毎週楽しみにしています。

《スイミングクラブの先生と共に》
 スイミング指導はスイミングクラブコーチです。
 コーチによる準備体操を終え、子どもたちはプールサイドに移動します。
 指導開始、担任はコーチの助手を務めます。

スイミングクラブ


【 運動遊び 】 公益社団法人発達協会 倉持 親優

 子ども達が発達するということは、生きていく環境(自然や社会など)に適応できるようになることです。適応していくことで、人間は生活しやすくなっていきます。

 運動遊びの最も大切な目的は、「子ども達が生きていくとき、できるだけ困らないようにしていくこと」、つまり「適応力を身につけること」です。このために運動遊びでは、以下のような項目を考慮して実施しています。

① 日常生活を送るために必要な体力をつけること。例えば、歩いて移動すること、重い荷物を持ち運上げること、不安定な所でも転ばないこと、など。また緊急時の安全確保のために必要な体力をつけること。例えば、跳び上がって障害物を避けること、腕で自分の体をぶら下げること、走り続けること、など。

② 子どもは自分の体を通して、つまり経験を通して学んでいくので、その学びの基礎となる経験を、体を整えることで、正しく、スムーズに行えるようにする。

③ また、子ども達に限らず、身体の状態と、心の状態はお互いに影響し合うので、身体を育てていくことで、心が育つ助けとなること。

④ 様々な生活技能を身につけやすく、疲れにくく、安全な身のこなしができるような正しい体の動かし方を身につけること。

⑤ できないことができるようになる経験を通して、自分の力を信じて困難なことにも積極的に挑戦していく力をつけていくこと。

⑥ 運動は勝手に体を動かしているだけではなく、モデルやルールに合わせて動くことも必要である。この「合わせて動く」経験を通して、人とコミュニケーションをとる力や集団生活をスムーズに送る力をつけていくこと。

⑦ 余暇に体を動かすことを楽しむことで健康な体を維持していく、また体を動かすことで気分転換をする習慣を身につけること。

運動遊びは、上のような様々な項目を踏まえた上で、目の前にいる子どもの発達段階や生活環境などを考慮して、助言や指導をしています。  また、ハンディを持った子ども達には、個別に指導や相談もしています。ハンディがあるために、体を通して経験することが少なかったり、経験自体が歪んでしまったりして、体を通して学ぶ力が弱くなっている子が多いので、身体の使い方を練習していくことで、学びやすく、生きやすくなることを助けようと考えて行っているものです。

 現在行っている、運動遊びの指導の柱としては、①自分の体を支え、姿勢を維持する筋力、②動きつづける持続力(持久力だけではありません)、余分な緊張をほぐすリラックスや身体の柔軟性(心の柔軟性も)、③体をコントロールしていく力(心のコントロールにつながる)などを中心に、年間目標や指導プログラムを考えています。

 このような考えは、私がエンゼル保育園と関わるようになった20年くらい前からあったわけではありません。当時を振り返ると、指導日に子ども達の様子を見て、目についた問題点を指摘し、保育士さんたちにアドバイスしていました。非常に場当たり的なもので、言われた保育士さんたちも実際の指導案にどのように組み込んだら良いのか苦労されたと思います。 運動遊び

 運動遊びが、子どもだけではなく親御さんや子どもを取り巻く大人の人たちにとっても、活き活きとした生活を送るきっかけとなることを願って、さらに指導を考えていきたいと思っています。

《倉持先生による職員指導》
 一年間の“運動遊び”は、各クラス担任がまとめた“クラス別運動遊び年間指導計画”を倉持先生に見ていただくことから始まります。倉持先生は園児全員の子どもの発育と発達を確認したうえで、クラス担任に運動遊びの指導内容と指導上の留意点を教えてくださいます。幼児クラス園児宛には、直接指導をしてくださいます。また、倉持先生はクラス別二者会で保護者様からの質問に答え続けてくださいます。



【 リトミック 】 東京教育専門学校 岩瀬 礼子

  私が、リトミックという音楽教育をエンゼル保育園で始めてから30年近くの歳月が経ってしまいました。

 リトミック指導を開始した頃は、園児達にする内容を先生方と研究するリトミック研究会を開き、土曜日の昼下がり、皆でステップしたりどこかのんびりした楽しいものでした。その後、幼児の皆さんと私のリトミックを保育士の皆さんが研究するといった形になり、私も、多少緊張しております。

 今、保育園のあり方は、各家庭においても地域においても、非常に重要な位置にあるのだと思います。40年昔の保育園のあり方と、現在の保育園のあり方はかなり違った存在になってきていることでしょう。これからはもっと加速度がついて、保育園の必要性はこれまで以上に変わってくるでしょう。エンゼル保育園では、常にその時代の御家庭に必要な手助けをし、常に柔軟な対応をする一方、子ども達に時代に見合った保育内容を見極め、それを実行してまいりました。規則正しい生活、日々の楽しい食事、無理をしない体作り、挨拶などは、いつの時代も大切にしてきました。その中に、音楽とのふれあいということでリトミックの存在があったわけです。

 では、このリトミックについて少し紹介したいことがあります。副園長(当時)の冷水先生が、今から40年程前に、ある研修会に出向き、そこで吉原先生というリトミックの先生と出会い、これは園児達に良いものだとピーンときて、その場で吉原先生にエンゼル保育園での研修会をお願いした、という話しを伺いました。このピーンときたということは、実は大へん重要なことだったのです。実は、吉原先生は小林宗作という音楽教師にリトミックの指導を受け、小林宗作が信頼した生徒のひとりでした。また、小林宗作という人は世界でリトミックを考案したダルクローズのリトミックを実際に見聞した数少ない日本人の一人なのです。というより、皆さんにもっと親しみ易い言い方をするなら、「窓際のとっとちゃん」をお読みになりましたか? あの校長先生が小林宗作なのです。と、お話をするとすぐお分かりいただけると思います。その小林先生が信頼した生徒の吉原先生が、エンゼル保育園でリトミックを教えてくださった、ということなのです。吉原先生は、現在三鷹の方にお住まいでお元気にしていらっしゃいます。私も、いろいろなご縁で吉原先生からリトミックを教えて頂くことが出来、現在に至っているということです。つまり、私は吉原先生の後任としてエンゼル保育園のリトミックを引き受けています。

 リトミックは一見遊んでいるように見えたり、音感教育のように見えたりするでしょう。いろいろな伝わり方が原因で、CDやMDなどの音楽に合わせてしている園もありますが、そういうやり方は本来出来ないはずです。たかが歩くというだけでも、その日の気分、天気、気温によって、子ども達の歩きたい速度、大きさ、曲など違うはずです。それを、こちらが読み取ってピアノなどで表現するのです。こうやって、心を読み取ってあげると、園児も心を開いてくれます。そして、いろいろなお友達とのスキンシップなどを通して、お友達にも心を開いていきます。

 リトミックのねらいのひとつに、Inner ear(内なる耳)というねらいがあります。まだ聞こえて来ない相手の音を想像する。これからするであろう相手の音を想像するわけです。リトミックはもともとは音楽教育ですが、こうやって他者の気持ちを常にくみ取らなくてはならないわけです。これからも、このように人との関わりを大切に育てるリトミックを続けていこう、と思っております。

 エンゼルを卒園した方たちが、いつになっても音楽が好きであったり、音楽によって癒されたり幸せになっていただけたら、と願っております。 リトミック

《岩瀬先生による職員指導》
 岩瀬先生は、原則として月に2回来てくださいます。1回目はクラス別指導、2回目は3・4・5歳児の合同リトミック指導です。担任は、毎回岩瀬先生から宿題を受け取ります。担任らは、月曜日に自分達の学習を兼ねて、3・4・5歳児の合同リトミックに取り組んでいます。



【 音楽のひろば ~親子で楽しむリズム遊び~ 】 音楽のひろば 野口 國枝

  このごろ、赤ちゃんのころからのスキンシップや子どもと一緒に遊ぶことが大切だとさかんに言われています。でも現実には子どもの世話だけで精一杯なのに一緒に遊ぶなんてという時間はなかなか取れません。それにこんなに小さい赤ちゃんといったいどうやって遊んであげたらいいのでしょうか。どうやってコミュニケーションをとったらいいのでしょうか。

 また、我が子の発達に不安があるとか育児に悩んでいる、というような時に身近に相談できる人がいるでしょうか。この子達にいったいなにが必要なのか、どう付き合っていったらいいのか、など子ども達のことを真剣に考えれば考えるほど、お父さんお母さんが不安を感じたり悩んでしまうのもよくわかります。

 そんなお父さんお母さんたちの悩みや疑問に答えられるように、エンゼル保育園では年間に乳児(0・1・2歳)のクラスでそれぞれ2回ずつ「音楽のひろば」という親子で楽しむリズムあそびのセッションを行っています。そこでは手遊び・歌遊び・合奏にダンス・パラシュートやボールを使ったムーブメントなど子どもとともに楽しめる音楽プログラムが行われ、大人にも気持ちの良い時間と空間がひろがります。お母さんのひざの上で電車ごっこをしたり、音楽にあわせて体をタッピングしたりゆらしたり、手と手を合わせ目と目を合わせることによってコミュニケーションもとれるようになってお互いの気持ちがわかるようになっていきます。お友達がやっているのをまねて自分もやろうとしたり、お友達がやっているときは順番を待ったり、まさに社会でのルールを学ぶ第一歩でもあるのです。

 音楽が好き、楽しいから僕も、私もやりたい。そして応援してくれるお父さん、お母さん、先生がそばにいるから頑張れる。そんななかで自信をつけた子ども達の目がいきいきと輝いていく姿をみると、私達大人が何をしたら良いかも自然に見えてくると思います。どうぞ気軽に、自分が遊びや音楽を楽しむつもりで音楽のひろばに参加してみてください。

音楽のひろば 親子で楽しむリズム遊び

《野口先生による職員指導》
 0歳児・1歳児・2歳児の保育士は、年間を通して野口先生から乳児期の子ども達の音楽リズム教育の進め方についての指導を受けています。
保育士らは野口先生から、音楽リズムという専門指導の進め方を得ると同時に、乳児期の子ども達への保育の視点を学び続けています。



【 アドラー心理学 】 ファミリーカウンセリングの母親研究所 坂本 洲子

  私がエンゼル保育園の冷水先生とお会いしたのは、20年程前のことです。当時、上野園長先生とお二人でアドラー心理学を学びにいらしたのを今でも鮮やかに思い出します。お二人ともお忙しい仕事の合間をぬい、毎週、毎週講座に参加され、熱心にメモを取られる冷水先生の姿が大変印象的でしたし、上野先生の謙虚な姿勢に上に立つ人としてのあり方を学ばされたものでした。そのことをご縁にエンゼル保育園での講演をさせていただくようになり、エンゼル保育園の職員の方々にもアドラー心理学の導入をとのお話を頂き、今日まで、毎年職員の方々の講座にお招きを頂いております。

 保育者に子どもの心理を理解する為のアドラー心理学を導入され、保育にいち早く取り入れられたエンゼル保育園の試みは、今や保育者のみならず、調理師の方、経理の方々から、保護者の方々にも普及する機会を設け、「両親のための講座」を開くなど子どもを取り巻く人的環境作りに力を注いでこられた園長先生と冷水先生のご努力には頭の下がる思いです。

アドラー心理学についてご存知でない方もおありかと思いますので、簡単にアドラー心理学について触れさせていただきます。

 アドラー心理学とはアルフレッド・アドラー博士(1870~1937)の提唱する Individual Psychology(個人心理学)を指しています。彼は精神科医をしているときに「なぜ、精神を病む人がいるのか」「なぜ、犯罪者がいるのか」と考えたのです。その結果、人は性格形成期をどう過ごすのかがどうも重要だということに気づいたのです。そこで、彼は「教育・しつけ」の重要性を説いたのです。そして、しつけのあり方によって人は、自己の行動パターンを身につけ、いったん身につけた行動パターンは余程のことがない限り、生涯変わらない、だから子ども時代にどんな経験をするかが、その後のその人の生き方を決定づけると判断したのです。子どもに問題行動があるとしたら、その行動が問題なのではなく、問題行動をしたくなる周りの大人の対応にこそ問題があると考えました。ですから、大人の対応が変われば子どもの問題行動は起きないのです。そのことをアドラーは多くの教師、親たちに教育したのです。そして、教育の主たる目的は「共同体感覚の育成」つまり、安心感、信頼感、貢献感、協力、責任を学ばせることにあると主張したのです。その学ばせ方として「叱る、罰する、ほめる」のではなく「勇気づけ」を提案しました。勇気づけとは子どもの意欲、やる気、元気を引き出す対応のことです。アドラー心理学は難しい学問ではありません。理論はシンプルです。しかし、理論を頭で理解するのではなく、実践してみて、初めて「理解」したといえます。ですから、アドラー心理学を学ぶとたくさんの実践課題とロールプレイで子どもの「心」を理解していく過程でもあるのです。

 最近 NEET( Not in Education, Employment and Training 教育も仕事も職業訓練もしたくないの意味)の人口が増加の傾向にあります。このことは教育・しつけの見直しを問われているといっても過言ではないでしょう。「鉄は熱いうちに打て」といいますが、幼い子どもの脳は成長の段階にあり、大人の対応次第でいくらでも共同体感覚を育成することができます。「子どもが危ない」「幼稚な子どもたち」「大人になれないおとな」など、人格に関する書物を多く目にするようになりました。このことはあからさまに、あるいは暗に親のしつけを批判しています。このような世論に「私は関係ない」とは言えない状況があります。その意味では、エンゼル保育園の心理学の導入は、時代を先取りした画期的な視点といえます。

  保育士の皆さんの対応は他の保育園とは違うはずです。大声で怒鳴らない、子どもの行動を理解した対応、例えば、子ども同士の喧嘩は怪我でもしない限り見守る姿勢です。そして喧嘩の原因追求をするのではなく、子どもが喧嘩を通して学ぶ、子ども同士の付き合い方を尊重する態度です。子どもが危険なことをしようとしたら、大声で「あぶない」とは言わず、まず危険から子どもを守り、子どもが安全でいられるようにします。子どもに対する態度は、子どもを尊敬する態度で、指示・命令が少ないのです。

 あるとき講座に参加された調理師の方から質問をうけました。「子どもが給食の人数をクラスごとに報告に来てくれるのですが、恥ずかしくて上手く伝えられない子にどうしたらいいでしょう」ということでした。「そんな場合、子どもにはっきり言えるように伝えることではなく、恥ずかしがりやの子どもには、先生が子どもの声が聞ける傍に行き、聞いてあげられたらいかがでしょう。そして報告に来た子どもに有難うとお礼をいわれたらいかがでしょうか」と伝えました。調理師の方はさっそく私の助言を実践されたのです。すると、子どもが嬉しそうだったという報告をして下さいました。

 とかく子どもを指導しようと思うと子どもの性格を無視し、大人の望む子どもにしようと注意し、説教をしがちです。しかし、子どもの性格をかえるのではなく、子どもが自分は受け入れられているという体験が大切で、その体験があるから子どもは他者に対しても優しくなれるのです。

 エンゼル保育園の職員の方々は学んだことを日々の実践の中に活かし、確かな子どもの手ごたえを感じ取っていらっしゃると思います。仮に失敗をしたとしてもその失敗を学びに変える勇気を持っていらっしゃる方々ばかりです。ご自分たちの失敗をオープンにされる勇気ある場面に出会うと、真摯に保育に取り組んでいらっしゃることを感じます。

 そのような先生方がエンゼル保育園を支えていらっしゃることに心から感謝の気持ちと拍手を送ります。これからもエンゼル保育園が子どもの幸せと福利のための場として存続していくことを願っております。

《坂本先生による職員指導》
 職員は、坂本先生による園内研修会に参加して、“愛と勇気づけのアドラー心理学”を学び続けています。坂本先生による“子育て講座”も開催されます。同講座には保護者様が参加して、子育ての悩みを解決されています。



◇ 卒園式・お別れ遠足

【 卒園式 】
あっと言う間に過ぎ去ってしまう1年間。あれよあれよと言う間にぐんぐん伸び育つ子ども達。あっと言う間に過ぎ去ってしまった6年間。
二者共に育み育てた子ども達。今日は、皆さんの晴れの門出の日です。
♪はばたけエンゼル 風の吹くほうへ~

【 お別れ遠足 】
エンゼル保育園のお別れ遠足は、東松山市に建つ“原爆の図・丸木美術館”に出向きます。親子で千羽鶴を折って“丸木美術館”に届けます。
心も体も豊かに伸び育った子ども達。さぁ、これで皆さんともお別れです。
お兄さんお姉さん、さようなら・さようなら。

都幾川の流れの音をききながら語り合う
都幾川の流れの音をききながら語り合う

世界中のひとびとが平和に暮らすことができますように
「千羽鶴」 『世界中のひとびとが平和に暮らすことができますように』 エンゼルほいくえん ひまわりぐみ

東松山・丸木美術館へ
「5歳児お別れ遠足」 東松山・丸木美術館へ

「原爆の図」 丸木位里・俊 見つめる瞳は、未来を見つめる瞳です
「原爆の図」 丸木位里・俊 見つめる瞳は、未来を見つめる瞳です



保育園は大きなお家。大勢の兄弟がケンカして仲直りしながら伸び育っています。
当園は、年間を通して合同保育・縦割り保育を実施しながら子ども同士の育み合いを大切にしています。お兄さんお姉さんのようになりたい、お兄さんお姉さんの真似をしながら、お兄さんお姉さんに可愛がってもらいながら大きく育っていく弟と妹たち。
0歳児から5歳児までの子ども達が伸び育ち合う大きなお家。これがエンゼル保育園です。